窓の外から、静かに雨の音が聞こえてきました。
しとしとと降り続く音は、まるで誰かが語りかけてくるようです。
普段せかせかと流れていく時間が、ほんの少しだけゆっくりになるような気がします。
今日は、家事も仕事も手を止めて、少しだけ窓の外を眺めていました。
傘の上を転がるしずく。
濡れたアスファルトに映る空。
重たくなった紫陽花のつぼみたち。
雨の日には雨の日の、静かな美しさがあります。
梅雨の前触れのような空気。
湿った風と、光の弱い空。
それでも、雨に打たれて咲く花たちは、どこか誇らしげ。
何もしていないのに、心だけが静かに動く時間があることを、
雨が教えてくれた気がしました。
立ち止まるのも、悪くないですね。
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